片想連鎖 ~伝えたい心~

ナオは私の方を見上げながら口元を押さえていた。

あれはナオが考え事をする時のクセだ。


「ナオー?考えてないで助けてよ?」


「んー?明奈。1時間そこで頭を冷す?」


「えっ?!何でっ?!」


「”俺が隣にいる時は無茶してもいい”って言わなかったっけ?」


「言いました…。」


「俺がいなかったら、どうするつもりだったの?本当、困ったお姫様だね?」


「…ごめんなさい。」


私がそう言い終えると、ナオは私の方に向かって腕を大きく広げた。


「明奈。…おいで?ちゃんと捕まえるから。」


「本当に、飛んでも大丈夫?」


「言ってくれれば、カブトムシも捕まえられたんだけどね?」


「……。」


もう、返す言葉もありません…

”女は口が達者”だって言うけど

ナオには勝てる気がしないんだ…


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