片想連鎖 ~伝えたい心~
1~2分経った頃に、
『もう大丈夫そうだよ?』
ってナオは言ったけど…
『まだダメ!!』
と、私は言いながらハンカチを捲って、血が止まったかを確認した。
まだうっすら血が滲んでいたナオの左手に、
唇を近付け、傷口に舌を這わせた…
「…んっ…。」
頭上からナオのそんな声が聞こえてきて…
もしかして痛かったのかな?と思って、
『ごめんね?一応消毒。』
と私は言ったんだ。
「きっと、私の校章バッジで引っ掻いたんだ…。下側がV型になってるし…。落ちる高さも高さだったし…。ホントにごめんなさい。ナオ。」
私が半泣きになりながら、そう謝ってナオを見ると、ナオは何故か顔を赤くしながら横を向いて、
『…大丈夫だよ。』
とだけ言った。