片想連鎖 ~伝えたい心~
私は目を開けて、ナオを見た…。
ナオは、穏やかな笑顔を私に向けてくれていた。
涙でグチャグチャになった私の顔は、きっと酷い顔をしていると思う…。
私は片手で乱暴に涙を拭い、ナオに真剣な表情を向けた。
ナオがこんなに私に向き合ってくれているのに、私が向き合わない訳にはいかないと、決心して話し出したんだ。
「ナオ…。私の話、…聞いてくれる?」
「うん。…聞かせて?」
「私…付き合ってる時、怖かったの。」
「それは…、俺が?」
「それも…違うとは言い切れないけど、それよりもナオに嫌われる事が、怖かった…。」
私の言葉に、ナオは、
『俺も、怖がらせていたんだな…』
と、呟いた。
『ナオが怖がらせていたんじゃない。』
『私が、勝手に怖がっただけ…。』
そう言った後、私は思い返しながら話し出した…。