片想連鎖 ~伝えたい心~
「自分の中でゴチャゴチャになっちゃって…。ナオに話せば良かった事だったとは、今なら思えるんだけど…。あの頃の私は、それを言って、”イヤらしい女”だってナオに軽蔑されるのだけは、どうしても嫌だったの。」
「…そっか。」
「それにっっ!修学旅行の日、新幹線に乗る時、ナオに”夜、部屋に行くね?”って言われてっっ。もしかして今夜?!とか、修学旅行なのに?!とか、考えが飛躍してテンパった挙げ句…」
「挙げ句…?」
「事もあろうに…ナ…ナオの…か…し…見ちゃったの!!」
「え?俺の”かし”?って何?」
「ナオのっっ。下半身っっ!!」
「えっっっ?!!!」
「意識し過ぎて、もう、どんどんおかしくなっちゃってっっ。」
私は自分の告白すら恥ずかしすぎて、熱く火照った顔を両手で覆ったんだ…。
どうしよう…
引かれたかな…?
引かれたよね…?
正直に言い過ぎた…?
イヤらしい女だって…
思ったよね…
私が顔を覆い隠したまま溜め息をつくと、何故かナオは笑ったんだ。
「ハハッ!…明奈?落ち込んでるところ悪いけど、俺は、…嬉しいんだよ?」