片想連鎖 ~伝えたい心~
凄い早さで心臓が鼓動を打つ。
あの時の不安が俺を襲った。
トラウマになっていたのかもしれない…。
あれは過去で、今は違うだろっっ
同じ事を繰返したりはしないっ!
そう自分を奮い立たせて、冷静に、慎重に、明奈に近付いて寄り添う様にして座る。
明奈の膝の上にある手に俺の手を重ね、そして強く握り締めた。
俺は、自分の不安を明奈に感じさせない様に、ゆっくりと話し出した。
「…明奈?」
「…ん?何?ナオ…。」
「今、何か不安に思ってる事…ない?」