片想連鎖 ~伝えたい心~
俺がそう言うと、俯いていた明奈が驚いた様に顔を上げて、俺を見つめた。
それからまた、悲しそうな顔をして俯いてしまったんだ。
話したくないんじゃない。
きっと、どう言ったら良いのか分からなくて考えているんだ…。
答えを急ぐつもりはない。
だから、俺は黙っていた。
けど、明奈の緊張を少しでも和らげたくて、俺は繋いだ手を持ち上げ、明奈の手の甲にキスを落とした…。
「…ふっ…ふぇっっ…。」
そう声を漏らしながら、明奈が急に泣き出した。
俺は手を繋いでいない方の腕で明奈を抱き寄せ、頭をそっと撫でた…。