片想連鎖 ~伝えたい心~

―――
―

ナオが、いつもの様に私の家の前まで送り届けてくれた。


離れたくない…
帰りたくない…
一緒にいたいの…
もう一度、
私に触れて…


私がそう思って俯くと、ナオはいつもの様に、手をギュッと握り締めた。


それから…


いつもの様に、
『お父さん、心配するよ？』
って、そう言われるんだ…


私が溜め息をついて、諦めながら顔を上げると同時に、ナオは私の腕を引き、強く抱き締めた。


「本当は、帰したくないんだよ？」


と、いつもは言わないセリフ…

それが、私には嬉しかったんだ

同じ気持ちでいてくれるナオに…


「…うん。分かった。ありがとう。ナオ。」


私は素直にその言葉が出てきたんだ。


それから、私はナオの腕の中から離れて、
『…じゃあ、また明日ね？』
と言って家に入ろうとした…。