片想連鎖 ~伝えたい心~
「佐々木ぃ!美樹の親族とかも居んだから、ムラムラ言うなよ!」
「あ。わりぃ。」
「というか、佐々木君。何で俺には挨拶がないんだろう?」
「は?何で直哉に挨拶しなきゃなんねぇんだよ?しかも”佐々木君”とかキモいわ。」
ナオとカイは、偶然(?)ながらに同じ大学に通っていて、カイもシステムエンジニアを目指してると言っていたんだ。
まだ高校生の時は、どこかギクシャクしていたんだけど、今は名前で呼び合う位仲がいいらしい。
「結衣ちゃん、久しぶり!」
「明奈も!元気そうで良かった!」
「ねぇ?結衣ちゃんが着てる水色のドレス、カイが選んだんだって?」
「えっ!何で知ってるの?!」
「カイ経由でナオから聞いた!よく似合ってるよ?」
私がそう言うと、結衣ちゃんは顔を赤らめてカイを恨めしそうに見上げていた。
カイはカイで、嬉しそうに見下ろしている。
二人は、長い幼馴染み期間を経て、昨年漸く付き合い始めたんだ。