片想連鎖 ~伝えたい心~
明奈を屋上に導いてから、私は予定通り(?)爽と文化祭を楽しむ為に、色々なクラスを覗いたりしていた。
でも、やっぱり明奈が心配で…
私はそわそわと落ち着かない気持ちでいた。
「はぁ…。」
「美樹?そんなに心配?」
「えっ?…うん…。」
「直哉と明奈なら大丈夫だよ。それよりも…」
と、爽はそこで一度言葉を区切ってから、
『あれの心配した方が良さそうかな?』と言って指を指した。
その方向を見てみると、そこには熊の着ぐるみを着ていた柴田君に、キスをしている絵里の姿があったんだ…。
「絵里ったら…。どうしたんだろうね?いつにも増して大胆というか…。」
「”任務完了”ってメール来たんだよね?」
「え?うん。そうだけど…。」
「この作戦名って”ナオと明奈をくっつけちゃうぞ☆”じゃなかった?だからじゃないかな?」
爽は、私に何かを諭そうとしているのは分かるんだけど、私には作戦名やメール、絵里のキスの関連性が分からなかった。