片想連鎖 ~伝えたい心~
学校に着くと、クラスの女子達に連行された。
文化祭で着る衣裳を押し付けられて、男子更衣室に押し込められる…。
まさか、これを俺が着んのか?!
裏方希望で通ってたじゃねーか!!
俺の心の叫びが聞こえたかの様に、更衣室の外で待機している女子達が話し出した。
『サイズ違いで担当が着れなくなったんだってば!だからお願い!』
『てゆうか、佐々木くんがやらずに誰がやる?!ってカンジなんだけど!』
『売り上げに貢献してよね!』
「………。」
もう、何も言うまい…。
そう諦めて、項垂れながら着替えを進めた。
ラメが織り込まれた、胸元の開いたシャツ。
同じようにラメが入っているだろうと思われる黒のスーツ。
何の柄なのかも分からない位、ごちゃごちゃとした柄のネクタイ。
つま先の尖った革靴。
ほれ…。
ホストの出来上がりだよ…。