片想連鎖 ~伝えたい心~



俺のクラスは言わずとも【ホスト喫茶】だ。


着替えを終えて更衣室から出ると、待ち構えていた女子達が微動だにせず、俺を凝視している。


なんだ?
さっきの勢いはどうしたんだよ…
もしかして似合わないのか?


そう思って、俺が自分の身なりをキョロキョロと確認し出したら、突然、黄色い声で悲鳴を上げやがった。


「今度は何だよ?似合わないなら他の奴に…」


「似合ってる!!」
「もう、予想以上!!」
「サイズも佐々木くんに合わせて良かった!」


褒められるのは有り難いが…
おい。
最後の発言は、聞き捨てならないぞっ。


「お前ら、まさか、最初から…」


「当たり前じゃん!」
「イケメン使わずにどーすんのよ?」
「グダグダ言ってないで行くわよ!」


そう言って、俺の両腕を逃がさないと言わんばかりに掴んで、俺を引き摺るように歩き出した。


女って、うるさくて、怖ぇ…


そう心で呟いた…。



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