片想連鎖 ~伝えたい心~
文化祭が始まり2時間が過ぎた頃、俺の頬の筋肉は悲鳴をあげていた。
『甘い言葉でね!ほら、スマイル!』
そう言われていたけど限界だ…。
システムは良く知らないが、どうやら指名制らしく、俺は休む暇もなかった…。
どうでもいい女に、
なんで笑わないとならないんだよっ!
『お嬢様』とか、普通言うのか?
それは執事じゃねぇのかよっ?!
俺の不満はどんどん膨れ上がっていった。
その時、俺の背後から聞き慣れた声が聞こえてきたんだ。
「かーいと?指名、していい?」
俺が後ろを振り返ると、そこにはメイド服を着た結衣が一人、立っていた…。