片想連鎖 ~伝えたい心~


--- 放課後。

昼休みに寝てしまった私は、そのまま眠り続けてしまい…
メチャクチャ厳しい現国の長谷川先生に見つかってー…


「反省文とか、だっせぇー!」


絵里にそう言われて、
『起こしてくれれば良かったのにぃ…』
と、拗ねて口を尖らせた。


「起こしたんですけど?」
「起こしたんだよ?」


「ハ…ハモらないでよ。」


『はぁー…』
と、溜め息をつきながらも反省文を書き進める私の前で、頬杖をついていた絵里が私に話しかけてきた。


「ねぇ、明奈?」


「ん?何?もうすぐ書き終わるから、少し待ってて。」


「や、もう無理、限界。」


『昼からお預けくらってんだけど?』
とウラメシそうに目を細めながら付け足して、更にサラっとこう言った。


「ナオって、ダレデスカ?」


「…っっ?!!」


絵里の口から”ナオ”の名前が出てきて、あまりの衝撃で声も出なかった。

慌てて美樹の方を向いたけど、美樹は首を横にブンブン振るだけで、
『えっ?…なんで?』
と言った私に、絵里が答えた。


「明奈が眠りこける前に、自分で言ったんじゃん。もしかして、寝ぼけてたのかよっ。」


と言って、私にデコピンをかました。



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