片想連鎖 ~伝えたい心~
寝ぼけて…って、
何言っちゃってんの私?!
でも、何でナオの名前を口にしちゃったんだろう?
とは、思わなかった。
それは、ナオの夢を見たからに他ならなかったから…
「それで?ナオは誰?ていうか、明奈の何?」
「…ナオは、私の中学の元カレです。」
「んで?何で、別れたん?原因は?」
「……。」
え。コレ、答えなきゃいけないの?
昔の話だから、今更話さなくても良くない?
そもそも、原因なんて恥ずかしくて言えないよっ。
今なら笑い話になるかもしれないけど…。
色んな事がタイミング悪く重なりすぎて、あの時の私は真剣に悩んで…
でも、私は確実に、ナオの事を一方的に傷付けた事には変わりなくて…
変な汗が背中をつたう…
絵里は視線を合わせたまま逃がしてくれそうにもなくて、何か言わなきゃ!と思ったけど、やっぱり私は…
『…ごめん、言えない。』
としか言えなかった。