片想連鎖 ~伝えたい心~

予想外の質問に顔を真っ赤に染めながら、
『何でそうくるのっ?!』
と叫んだ。

絵里は涼しい顔をしながら、
『別に、そういう理由があってもおかしくなくない?』
と言って話を続けたんだ。


「え?もしかして、当たりとか?」


「ち、違うからっ!!…てか、そもそも手しか繋いだ事なかったし…」


と、私は尻窄みに答えた。

今度は絵里の方が驚いたみたいで…
『どんだけ清い交際だよっ?!』
と、叫ぶ。


「じゃあ、何が原因なわけ?いい加減白状しろっ。」


どうにか逃げられないかな…と、必死になって考えたけれど、絵里が諦めてくれないと分かった私は、
『私が、必要以上に、…ナオの事を”男”として意識しちゃったからっ!』
と、半ば諦め気味に言った。


「はっ?」


「ていうかっ!もう、これ以上事細かく話す気はないからっ!おしまいっ!」


と言って、私が顔を真っ赤にしたまま俯いたその時、本来”助け船”になるはずなのに、今一番避けたい人物の声が耳元に落ちてきた。




「藤原さんも、そんな顔するんだ?」


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