片想連鎖 ~伝えたい心~
私がバっ!と耳を押さえながら後ろを振り返ると、至近距離に佐々木君の顔が見えて…
驚いた拍子に私は椅子から落ち、尻餅をついてしまった。
佐々木君は、
『大丈夫?』と言った後に、
『新しい藤原さん、発見!』
と付け足して口の端を上げた。
「ビックリしたじゃん!やめてよっ!」
と、抗議する私の横から絵里が、
『気配消してくんなよっ!』
と言い、美樹は、
『何か用事でも?』
と、佐々木君に話しかけた。
「あー!そうそう!藤原さんに伝言あったんだっけ。」
少し舌先を出して、
『ごめん、ごめん。』
と言う佐々木君に、私は、
『…で?何?』
と、不機嫌丸出しの表情をしながらぶっきらぼうに言った。
「伝言は、長谷川先生からだよ。『反省文、早く提出しろ!』だとさ?」
「えっ?!まだそんなに時間経ってないのに!てか、なんで伝言頼んだのが佐々木君なわけ?!」
「…そりゃ、男バス顧問だし?俺、部室に入るところだったし?」
長谷川先生が男バス顧問だったの忘れてた…
でも、先生…
伝言頼む人選悪すぎ…