片想連鎖 ~伝えたい心~

伝言を伝えに来てくれた佐々木君にお礼すら言わずに、反省文の残りをカリカリと書き出した。

その間、美樹、絵里、佐々木君の3人は黙って私の様子を見ているだけ…。

直ぐに書き終えて、
『提出してくる!』
と紙を掴んで立ち上がった私に、絵里が、
『職員室、下駄箱と反対方向じゃん?うちら下駄箱で待ってるわ。』
と言い、美樹が続けて、
『ホラ、鞄持って?』
と言いながら、机の横に掛けられた私の鞄を持って差し出した。


「うん。分かった。」


思い出した様に『あっ!』と絵里の方に振り返った私は、絵里の目の前に人差し指を突き出して…
『さっきの話っ!もう終わりだからねっ?!』
と告げた。


「はいはーい。了解。」


「じゃ、後でね。」


と、軽く手を上げて教室を出ようとした矢先、
佐々木君が…
『じゃあ、俺は藤原さんを連行しまーす。』
と言い出したんだ…。


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