片想連鎖 ~伝えたい心~
私は目をギョっと見開き、口をパクパクさせながら佐々木君の方を振り返った。
その様子が面白かったのか…
『クククっ…!』
と、声を殺しながら佐々木君は笑っていたんだ。
「何が連行よ?!伝言済んだなら部活に戻ればいいじゃん!」
「藤原さんは『お子ちゃま』な所があるから、ちゃんと見届けないとね?」
「っっ!お子ちゃまって何よっ!」
「伝言を伝えに来た相手に『ありがとう』も言えないし?」
「------っっ?!!」
何も言えなくなった私を小馬鹿にする様に、
『ダメでちゅよー?』
と小首を傾げて言った。
それがまた勘に障った私は、
『アリガトウ!!』
と怒鳴り付けて、佐々木に背を向け歩き出す。
「素直じゃないなぁー?逮捕しちゃうぞっ?」
と言って私の後に続こうとするから、
『付いて来ないでっ!!』
と叫んで教室を後にした。
その光景を見て呆然としていた絵里が、
『なんじゃありゃ…』
と呟いていた…