片想連鎖 ~伝えたい心~

欠けた何かを求める様な
溶けて交わりたい様な
ナオの全てを知り尽くしたい欲望…


以前、雑誌とかの赤裸々な恋愛ページで目にした『キス』や『身体的な繋がり』とは、少し違う気がしたんだ…


もっと、深い、深いところで
がんじがらめになりなが
ナオと繋がりたい…


自宅前に着くのは決まって5時55分。
6時という早い門限にも、ナオは嫌な素振りはせずに私を送り届けてくれていた。

私が、自分も知り得ない感情を胸にしながらナオを見上げると、ナオは一瞬、困った顔をする。
 

『…お父さん、心配するから家に入りな?』

『…うん。』


私が淋しそうにそう言うと、ナオはいつも…


『明奈。…大好きだよ。』


繋いでいた手を更に強く握り締めながら、そう言葉をくれた。

それが、私への帰宅を促すサインであるかのように…




私は、ナオから大事に、大事に、愛されていたんだ…



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