片想連鎖 ~伝えたい心~

---翌日の昼休み。

佐々木君が来て、何故か私達3人と一緒にお弁当を食べながら、昨夜のメールの話で盛り上がっていた。

佐々木君は、以前から呼んでいたかの様に私の事を”明奈”と言って話していたんだ。


『頼むから”ウミちゃん”だけはやめてくれ…』
と、佐々木君が言えば、
『いいじゃん?別に』
と、してやったり顔で笑いながら返す私。


そんな私達二人のやりとりに、絵里と美樹が、
『何、ウミちゃんて?キモっ!』
『楽しそうね?私も”佐々木君”じゃなくて”ウミちゃん”て呼ぼうかしら?』
と横やりを入れる。

『ま…、マジかんべん…』
と項垂れる佐々木君を見て満足しながら、絵里や美樹と声を出して笑っていた。



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それ以来、私は佐々木君と急激に仲良くなっていった。

”明奈”と呼ばれる事に何の違和感もなくなり、私は佐々木君の事を”カイ”と呼ぶようになっていた。

男子とあまり接する事の無かった私が、カイと仲良くするようになったからなのか、
『佐々木君と付き合ってるの?』
と聞かれる事も増えたけれど、私はその都度、
『友達だよー』
と困り顔で答えなければならない事もしばしばだった…

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