片想連鎖 ~伝えたい心~
待ち合わせは、学校に一番近い駅前。
私が着いた時には既にみんなが来ていて、
『遅ぇーよ!』
『明奈ビリだね。』
とか言われたけど…
それでも約束の5分前なんですが…
『納得いかないっ。遅刻してないしっ。』
と、口を尖らせて抗議してみるも…
「明奈。そんな顔を私以外の前でしちゃダメよ?」
「そうそう!拗ねたって、お姉ちゃんは許さないんだからぁー!」
「……。美樹は良いにしても、カイはキモい!」
「ひっ、酷い事言うのね…明奈。」
カイは、私が”ウミちゃん”って弄った時から、度々”お姉キャラ”をするようになっていた。
変なマイブームを楽しんでいるらしい…
そんな風にふざけながら近くのカラオケ店に入った。
室内は左右の両側にソファーがあって、左側のソファーが二人掛け、右側のソファーは端が少しラウンドした長めのソファーだったから、必然的に二人掛けの方には美樹と川口君が座り、対面側のソファーに奥から絵里、柴田君、私、カイの順に座った。
歌う順番を決めてはみたけれど、美樹と川口君は聴き役になり、絵里と柴田君はマイクの取り合い。
その中間という形で、時々私やカイが選曲していた。