片想連鎖 ~伝えたい心~

葉山さんが発した言葉に、なぜ、私がそう言われなければならないのか分からなくて、思ったままの言葉を口にした。


「…なんで?どうして側にいたらダメなの?私とカイは友達なんだよ?」


私がそう言うと、葉山さんの表情は険しくなっていって、キツい口調で話し出した。


「それ、本気で言ってる?藤原さんはそうかもしれないけど、じゃあ海斗は?藤原さんと同じように思ってるとでも?海斗を”男”として好きになれないなら、側にいないで。そう言ってるの。」


「葉山さんが何を言いたいのか、分からないよっ。」


「どんだけ鈍いの?海斗が藤原さんの事、”女”として特別視してるの分からない?…友達に向ける眼差しじゃない。」


「…え?私と…カイ…は」


私が動揺しながら話している時、葉山さんは私に向けていた視線を私の後方にずらした…

私が振り返ると、そこには参考書を手にしたカイが俯きながら立ちすくんでいたんだ…





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