誠につもる白雪かな
刀屋でも斎藤は外にいるという。



凛「すみません...あのお願いがあります。」



斎「なんだ。」



凛「刀を選んでいただけませんか?」



斎「俺が....?お前が気に入ったものにすればいい。」



凛「そうなんですが...刀は初心者なので私でも扱いやすいものを斎藤さんに幾つか選んでいただきたいんです。」



斎「分かった...」



それから斎藤は比較的軽くて持ちやすいものを三本選んだ。



隣でうーん...と、険しい顔をしながら刀を見つめている凛をみていると斎藤に笑みが浮かんだ。



斎「これがいいんじゃないだろうか..」



赤い鞘に収まったそれは
柄の部分に桜が彫刻されていた。




凛「これが持ちやすいです!これにします!」


そういって笑顔を向ける凛を横目に見て店主に会計を頼んだ。



凛「うー...あれ...んー...」


みれば刀を必死に腰に刺そうと悪戦苦闘していた。



斎「(バカは俺だな...)」



自嘲気味にため息を吐くと凛の腰に
刀をさしてやった。



凛「ありがとうございました!」



そういって店を出たがまだ日は高い。



少しくらいはいいだろうと斎藤は凛に声を掛けた。


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