誠につもる白雪かな

五 巡察

ー暮九(23:40)ー


屯所前には浅葱色の羽織を羽織った沖田と平隊士がいた。



総「遅いですねー...」



凛「すみません!遅れました!」



そういって出て来た凛は羽織こそ来ていないが和服に帯刀をして
前髪のない長い髪を後ろに高く結っていた。



総「っ....///」



初めて見る凛の和装に思わず赤面して顔をそらす沖田。



島原の遊女たちとは違うふわりと香る
髪は今一つに括られヒラヒラと風になびいていた。



総「行きましょう!」



平隊士の手前動揺を見せるわけにもいかず、凛が女だとばれないように平静を装った。


総「なんで僕が...///」


前を歩きながら夜空を見上げ
熱を持った顔を冷ますように目を閉じた。



凛「総司さん....」



総「えぇっ!はい!なんでしょう!」
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