誠につもる白雪かな
凛「私ね、こんなんだけどさ...一応剣道とか強くてさ。日本舞踊も師範なんだー。」


総「そうらしいね」


凛「でもさ、剣道と日本舞踊なんてなんだか対象的だと思わない?」


総「ん...まぁ確かに?笑」


凛「あはは!でしょ?でもね、私は両方好きだったしどっちも妥協したくなかったんだよね。」


凛の話を聞きながら相槌を打っていた。


凛「でもさ、ある意味総司も対象的だよね?」


総「そう?たとえば?」


凛「剣を持ったら殺気だけで人殺せそうなのにさ...隊服を脱いだら子供と甘味が大好きな普通の青年でしょ?」


総「なんだそれ笑」


笑いながらも僕をみていてくれたんだと嬉しくなった。


凛「私ね、すっごい誰にも負けたくなくて、剣道だって日本舞踊だって若いからとか年下だからってバカにされたくなかったんだ。」


凛の顔は真剣で僕は目を見つめていた。


凛「だけど...」


そう言って顔に影を落とした凛に首を傾げる。


凛「私はね、結核...ここでは労咳かな。それに掛かってしばらく病院に入ることになったの。」


総「っ....⁉」


目の前の彼女が死病に侵されていると...だってこんなにも元気じゃないか。
悲しみと驚きに言葉も出なかった。


凛「でもね?未来では労咳は治る病だから三月(みつき)くらい入院して薬を飲めば治るんだよ!だから私はもう元気!」


そう言って笑った彼女に安堵しながらもなぜだか胸騒ぎがした。
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