誠につもる白雪かな
2人は良く深夜まで話し合っていた。



農家百姓の出身の2人からすれば
一旗あげようと京まで上り
やっと会津藩御預になったというのに
これといって仕事はない。


ただ日々何事もない巡察をして
たまにあるといえば
町の浪士や町人の喧嘩、
遊郭での人情沙汰など大凡
任務とは言えないことだった。



土「近藤さん...こんなんじゃ故郷の奴らに面子がたたねぇ...なんとかしねぇとな...」


近「その事だが歳...俺は会津に手紙を書いたんだ。」


土「なんて?」


近「これ以上任務がないなら会津藩御預を解いて欲しいとな。」


土「それは...何か考えあってのことか?」


近「あぁ。もちろんだ。」


土「ふん。そういうことか...今の会津は手薄だ...。そんな中薩摩が一万五千の兵を連れて上洛してきた。それなら...俺等を無下には出来ないからなぁ...?無理にでもなんかやらせようとするだろうよ。だけどな、近藤さん。俺はな、近藤さんを大名にしたいんだよ。ただの会津藩御預として使われる気はねぇよ。」


近「ははは。歳、俺はそんなできた男じゃないよ。」


土「まぁいいさ。俺が近藤さんをのし上げる。もう少し待ってくれ。後少しだ...後少しでことが動く...」


そういってあぐらをかいたところに肘を付き縁側を見つめていた。
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