サボり魔の私と吸血鬼のキミ!?
「お嬢さん、少しお転婆過ぎではないでしょうか?」
「……っ!ユ、リウス……!」
「おやおや、名前を知ってくれていたとは。嬉しいですねぇ」
嬉しいなんて、思ってない。
「ユリウス、こいつは俺の「存じ上げております。」
ユリウスは夜月の言葉を遮って笑顔を向けた。
ひどく、歪んだ。
「しかし、胸元の刻印が有る限り、その娘は私の意のままだ。」
「胸元……?」
ハッと思い出して刻印のあるところにそっと手を置く。
ドクン、ドクン……
(刻印が……また脈打ってる……!?)
「う……っ」
刻印のあるところが熱くなって、うずくまると夜月が声を掛けてくれる。
「お前……大丈夫か!?アイツに何された!?」
「大丈夫、だから……。夜月は心配しないで。」
ホントは大丈夫なんかじゃない。
助けて欲しい。
逃げなきゃ、夜月に迷惑掛からなかったのに……。
なんで、逃げちゃったんだろ。
守るって決めてたのに。
ここで、意識が途切れた。