サボり魔の私と吸血鬼のキミ!?
夜月たちを見送ったあと、私はダンスホールの廊下をフラフラ歩いていた。
「七海さんっ!」
遠くからレンさんの声が聞こえる。
「レンさん……。」
「七海さん、大変です!」
「どうしたんですか?」
肩で息をしているレンさんはふぅ、と大きく息をはいて言った。
「シュンのリアン嬢との正式な結婚が決まりました。おかしいと思い、調べさせた結果……」
一息おいて、いい放つ。
「とある惚れ薬を飲まされたらしいのです!」
「惚れ薬……!?」
なるほど。様子がおかしいわけだ。
「シュンを戻すにはこの薬を口移しで飲ませなければなりません。……七海さん、お願いできませんか。」
……口移し?
いや、そりゃないでしょ。
「シュンは我々が呼び出します!」
お願いします、と頭を下げるレンさん。
……急展開過ぎるよ。
……けど。
「レンさん、わかりました。顔をあげてください。」
私は笑顔を作って言った。
「私に任せて下さい。」