キミの隣。
君の好きなあの子。
君には、あの子がいる。
私より女の子らしくて、小さくて可愛いあの子。
私に望みなんかないんだ。
「おはよー!遅れてごめんね?」
私の一日は遅刻から始まる。
「ほんと、遅れすぎっ!
一回も時間通りにきたことないじゃーん!」
今話しているのは、友達のまほ。
小学校の頃から仲良しで、高校も同じ。
朝はいつもまほと一緒に登校する。
電車と自転車で通ってる私たち。
そして、いつも見かけるかっこいい先輩。
「「ほんとかっこいーっ!」」
いつも通りの日常。
そして。
自転車を漕いでるうちに見える星柄のリュック。
あ。
田中だ。
前髪をちょっと整える。
挨拶は…みんないるしいいや。
まほと笑いながら通り過ぎる。