ハンバーガー質小井店。


忘れるわけがない。
最後に会った制服姿も華麗だったけれど、ニットから覗く胸元の谷間と、編み込んだ髪の毛をポニーテールにしていて、普段見えない長い首すじがまた色っぽい。

色々眺めたいのが本音。
だけれど…

「――変態。鼻の下と目尻が緩んでる。」

はい、すいません。
漫画に視線を戻させて頂きます。


「まだ幻覚と変態思考に囚われているなら抓ってあげるけど。」

「是非、抓ってくださいっ!!」

「ど変態M男」

呆れた溜め息に毒舌。
あー、クールな彼女に似合い過ぎて痺れますぅ―…はっ!!ダメだダメだ!!!


「美川さん。何か御用ですか?」

「――えっ?」

「御用がないようでしたら失礼します。」

「はっ?えっ?えっ?ええっ?」

「あっ、それと、この本選んで頂きありがとうございます。家に帰ったら熟読します。…では。」

「……」

「あっ、そうだ。俺の名前は、譲です。では、今度こそさようなら。」

「……」

「あっ、そうそう。もし、この前ケバい女を連れていたイケメン女好きヤローが来たらシカトしてください。では、では。」

「……」

「あっ、まだあります。制服の美川さん凄く綺麗でした。また見かける機会があったら幸せです。では、本と―…あっ、他にも…」

「しつこい。さっさと買って帰れ。」


だって、折角の機会ですし…
彼女から話しかけてくれるなんてレアですし…
浮かれすぎてて天まで登って宇宙飛び出して、太陽で焼け死んでしまいます。
レアがウェルダンになってしまいます。


「初めの冷たさが無くなっているけど?」

「あっ!!やべっ!じゃ、用事が終わったんで帰ります。」

やべ、やべー!
また禁断症状が出るっ!
今までの努力がっ。
まだ勉強してないのに!
まだ学ぶことがあるのにっ!

まだまだ彼女に会うのは早すぎる…


「何あの人…。んー?変なの。」



□麻薬、症状出てしまいそうです。 END■

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