黒猫浮かれん坊

雨の中、傘を広げ二人で帰る。
二つの傘はぶつかるか
ぶつからないかの距離だった。

するとふと小夜が良に尋ねた。

「良ちゃん、今日学校で何した?」
「んー…調理実習…」
「いいなぁー…私なんて包丁も
持たせてくれなかったよ!」
「きっと、危ないからだよ」
「そうかな?」

ぶーぶーとなく小夜に良は笑った。

良はただ小夜の隣を歩いた。

「ねぇ良ちゃん…私って変かな…?」
「!?どうしたの急に…」
「だって…みんな避けるんだもん…」
「小夜は変じゃない!変じゃないよ!」

小夜はにっこり笑ってそっか!と言った

良は、先を歩く小夜を暫く見つめて
「小夜…」と呟くとまた歩き出した。
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