黒猫浮かれん坊
良sideー

小夜と川にきているが
俺は、川にはいる気になれず、
岸でただ水で遊ぶ愛しい人を見ていた。

この幸せがいつまで続くのかわからない
だけど、
今はただこの幸せが続く事を祈ってる。

「にゃぁ!」

くろ…ねこ…?

「君を殺す事をやめたら
死んでしまうかもしれないんだ」

小夜が…

あの事故の時、小夜は即死だった筈
それなのに、病院で意識を取り戻して
元気良く俺と話した。

誰かが小夜を生かしたと思った。
今でもそう思っている。

だから、止められない
死の連載があっても、片割れが死んでも
小夜は死なせない、絶対に…

(それが、お前じゃなくて
俺の思ってる事なら?)

「えっ?」
心が勝手になにかを思った。
暗くて、重たいこの気持ち…

〜♬〜♪

電話?

「良ちゃーん!おーい!!!」
ハッとして小夜を見る。

携帯がなった気がしたがどうでもいい
目の前にある大事な人を奪われるのは
もういやなんだ…。

「おーーい!」
「ん?どうした?」

にっこり小夜の元へ行くと、
小夜もにっこり笑って俺を抱きしめた
でもそれは…俺じゃなくて…

「良ちゃん…どこにも行かないでね…」
気のせいだ…多分。
俺は小夜の肩を抱きしめ
「どこにも行かないよ」と呟いた。
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