黒猫浮かれん坊
「俺…小夜んとこいってくる…」
「あっ…おい!!!」
母親の事も、兄の事もどうでもいい良は
真っ先に小夜の家に向かった。

「小夜!!」
「良ちゃん…川で…溺…」
小夜は涙目で、良を見た。

「ニュース見たんだな」
「うん…テレビつけたらたまたま…」
「そっか…」

良はただ小夜を抱きしめた。

誰もいなくなった部屋に玲は一人
ぼーっとしていた。

「死者って誰だよ…
それに、黒猫を殺すごとに人が死ぬって
なんで今まで…
何事もなかったのに…」

玲はハッとした。
さっきのニュース、
あれは事故では無くて、
玲が黒猫を殺したから、その代償
母親の事だってそうかもしれない。
身内だけじゃなくて、
関係ない誰かまで死ぬのか…

そこまで考えると、玲は震えた。
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