黒猫浮かれん坊
学校に着くや否や、
小夜の下駄箱から異臭が漂う。
小夜の下駄箱はゴミ箱と化していた。
良と玲は心配そうに見ていたが
これも慣れなのか、
小夜はカバンをガサゴソあさり
真新しい上履きを取り出した。

「小夜ちゃんは頭がいいのです!」
得意げに言うと、
良は先程から小夜を睨む
女生徒を睨み付けた。

すると、良に怯えたのか
女生徒達は、“良”に謝罪を述べた。

「謝ってくれてよかった!」
小夜がそう言って作り笑いをすると、
玲は小夜の頭を撫でた。
「無理して笑うな」
それだけ言うと、
玲は一人で教室に行ってしまった。

その玲の後ろ姿を、小夜は暫く見つめて
撫でられた頭を触った。
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