黒猫浮かれん坊
教室に行っても、小夜の扱いは変わらない
元々校内で評判だった
良と付き合っている時点で、
女子からの嫉妬は、
かなり凄まじい物になっていた。

そして、その上に事故が重なったのだから
小夜は自分がイジメに遭っているのも
仕方が無いと捉えている。

良にも玲にも心配はかけたくないが
こればかりは仕方が無い。

「あー!見て見て!黒猫!」
「えっ…?」
小夜が、窓をみるとそこには黒猫が一匹
小夜だけを見つめていた。

小夜の教室は一階だが、
猫や犬が入ることは滅多にない。
「にゃぁ!」

黒猫が元気良く鳴くと
小夜は何故か涙を流した。

「そっか…私…思い出したよ…」
小夜は、トイレに向かい一人泣いた。

「玲ちゃん…」と呟いて。

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