無垢・Age17
たまたま新宿駅で橘遥さんと待ち合わせしていたらしい。
あのメールは、橘遥さんをイベント広場横のクリスマスツリーに呼ぶためだったのだ。
私達はその後で社長のオフィスに寄ることになった。
其処は自宅兼事務所になっているマンションだった。
社長はモデル志願の女性と其処で待ち合わせていたようだ。
だから、私を連れて来たのだった。
(きっと又モデルの話題になるな)
嬉しいと思いながらも警戒していた。
私に務まるはずがない。
そう思っていたからだった。
「将来は別にオフィスを構えたいけど、それは贅沢よね」
テーブルにコーヒーをセットしながら社長は言った。
アロマとでも言うのだろうか?
独特の香りが、私の顔まで綻ばせたようだ。
広角が上がったように感じた。
「社長のコーヒーは定評があってファンが多いのよ。本物のブルーマウンテンだからかな?」
「ブルーマウンテンに偽物なんてあるの?」
「ブルーマウンテンはレゲエ発祥地として有名なジャマイカ原産のコーヒー豆なの。貴重品なので物凄く高価らしいわ。だけど其処で採れるコーヒー豆より日本が輸入している量の方が遥かに多いんだって」
「え、えっー!?」
「でも、さっき言ったのは単なるインターネットの噂だけどね」
私があまりに驚いたからだろう。
橘遥さんはそう付け加えた。
ジャマイカにあると言うブルーマウンテン。
その山の決められた標高によってその名誉ある名前が付けられそうだ。
その時。
事務所のドアがノックされた。
「どうぞ」
社長は中に入るように言っていた。
現れたのは、グラビアから抜け出たような女性だった。
(素敵……)
私は一瞬声を失った。
(きっとモデルさんよね。それともさっき言ってた読者モデル?)
私はただうっとりと、この女性を見ていた。
「早速だけと、コンポジ、持って来た?」
でも社長は平然としていた。
「コンポジはね……、コンポジットの略語で、プロフィール写真とか、宣伝材料写真とか言うのよ」
私に耳打ちするように橘さんが言った。
コンポジとは、どうやらモデルの必須アイテムのようだ。
オーディションの時などに持ち歩き、自分を売り込むために何部も用意しておく物らしい。
彼女は早速、それを提出した。
あのメールは、橘遥さんをイベント広場横のクリスマスツリーに呼ぶためだったのだ。
私達はその後で社長のオフィスに寄ることになった。
其処は自宅兼事務所になっているマンションだった。
社長はモデル志願の女性と其処で待ち合わせていたようだ。
だから、私を連れて来たのだった。
(きっと又モデルの話題になるな)
嬉しいと思いながらも警戒していた。
私に務まるはずがない。
そう思っていたからだった。
「将来は別にオフィスを構えたいけど、それは贅沢よね」
テーブルにコーヒーをセットしながら社長は言った。
アロマとでも言うのだろうか?
独特の香りが、私の顔まで綻ばせたようだ。
広角が上がったように感じた。
「社長のコーヒーは定評があってファンが多いのよ。本物のブルーマウンテンだからかな?」
「ブルーマウンテンに偽物なんてあるの?」
「ブルーマウンテンはレゲエ発祥地として有名なジャマイカ原産のコーヒー豆なの。貴重品なので物凄く高価らしいわ。だけど其処で採れるコーヒー豆より日本が輸入している量の方が遥かに多いんだって」
「え、えっー!?」
「でも、さっき言ったのは単なるインターネットの噂だけどね」
私があまりに驚いたからだろう。
橘遥さんはそう付け加えた。
ジャマイカにあると言うブルーマウンテン。
その山の決められた標高によってその名誉ある名前が付けられそうだ。
その時。
事務所のドアがノックされた。
「どうぞ」
社長は中に入るように言っていた。
現れたのは、グラビアから抜け出たような女性だった。
(素敵……)
私は一瞬声を失った。
(きっとモデルさんよね。それともさっき言ってた読者モデル?)
私はただうっとりと、この女性を見ていた。
「早速だけと、コンポジ、持って来た?」
でも社長は平然としていた。
「コンポジはね……、コンポジットの略語で、プロフィール写真とか、宣伝材料写真とか言うのよ」
私に耳打ちするように橘さんが言った。
コンポジとは、どうやらモデルの必須アイテムのようだ。
オーディションの時などに持ち歩き、自分を売り込むために何部も用意しておく物らしい。
彼女は早速、それを提出した。