無垢・Age17
怖い……
怖過ぎる……
これが満員電車の実態だった。
橘遥さんのカメラは、更に近くの女性の被害も映し出していた。
その人は、滑り込みセーフで橘遥さんの後に付いて乗車したとのことだった。
でもそれは女性専用車両ではなかった。
橘遥さんは、監督の命令で乗った電車。
だから被害届けは出せない。
またそんな撮影自体違法だから映像も出せなくなってしまったのだった。
「その人には本当に悪いことをしたと思っている。だって被害者がいるのに見てみぬ振りをするしかなかったのよ。それに私が彼処にいたから、同じ電車に乗って来たのだからね」
「本当は今からでも遅くないと思っているんじゃない? だから常にバッグの中にいれてる?」
社長の言葉に橘遥さんは頷いた。
「でもあの監督じゃあねー」
橘遥さんがそっとため息を吐いた。
「監督はね、自分が逮捕されることを恐れたの。だから暫く大人しくなったけど、ハロウィンであれでしょ?」
橘遥さんは呆れたように言った。
でも、私はその言葉で更に心臓が跳ね上がった。
呼吸が困難になり、動悸も激しくなった。
私はハーハーと息をしながら、その場で蹲った。
「過呼吸症候群かも知れない。パニック障害の一つよ」
橘遥さんが急いで私の元に駆け付けてくれた。
「この子はハロウィンの日に私に間違われて拉致され、スタジオで監督達に犯されそうになったの!!」
橘遥さんの声が何故か遠くに聞こえる。
気付いた時には、私はソファーに寝かされビニール袋で呼吸をさせられていた。
「応急手当てはビニール袋に自分の息を吹き込みそれで呼吸すること」
橘遥さんが私に諭すように言った。
「ごめんなさい。まさかこんなことになるなんて思わなかったから」
橘遥さんが申し訳なさそうに言った。
「アンタがこんな格好で来るからよ!!」
社長が面接に来た女性を叱った。
「本当にその格好じゃ男性の餌食になるわよ」
顔だけを女性の方に向け橘遥さんが言った。
でもその手は私を擦り続けてくれていた。
「ごめんなさいママ」
その女性は突然言った。
「え、ええっー!?」
私はその一言でソファーから飛び起きた。
怖過ぎる……
これが満員電車の実態だった。
橘遥さんのカメラは、更に近くの女性の被害も映し出していた。
その人は、滑り込みセーフで橘遥さんの後に付いて乗車したとのことだった。
でもそれは女性専用車両ではなかった。
橘遥さんは、監督の命令で乗った電車。
だから被害届けは出せない。
またそんな撮影自体違法だから映像も出せなくなってしまったのだった。
「その人には本当に悪いことをしたと思っている。だって被害者がいるのに見てみぬ振りをするしかなかったのよ。それに私が彼処にいたから、同じ電車に乗って来たのだからね」
「本当は今からでも遅くないと思っているんじゃない? だから常にバッグの中にいれてる?」
社長の言葉に橘遥さんは頷いた。
「でもあの監督じゃあねー」
橘遥さんがそっとため息を吐いた。
「監督はね、自分が逮捕されることを恐れたの。だから暫く大人しくなったけど、ハロウィンであれでしょ?」
橘遥さんは呆れたように言った。
でも、私はその言葉で更に心臓が跳ね上がった。
呼吸が困難になり、動悸も激しくなった。
私はハーハーと息をしながら、その場で蹲った。
「過呼吸症候群かも知れない。パニック障害の一つよ」
橘遥さんが急いで私の元に駆け付けてくれた。
「この子はハロウィンの日に私に間違われて拉致され、スタジオで監督達に犯されそうになったの!!」
橘遥さんの声が何故か遠くに聞こえる。
気付いた時には、私はソファーに寝かされビニール袋で呼吸をさせられていた。
「応急手当てはビニール袋に自分の息を吹き込みそれで呼吸すること」
橘遥さんが私に諭すように言った。
「ごめんなさい。まさかこんなことになるなんて思わなかったから」
橘遥さんが申し訳なさそうに言った。
「アンタがこんな格好で来るからよ!!」
社長が面接に来た女性を叱った。
「本当にその格好じゃ男性の餌食になるわよ」
顔だけを女性の方に向け橘遥さんが言った。
でもその手は私を擦り続けてくれていた。
「ごめんなさいママ」
その女性は突然言った。
「え、ええっー!?」
私はその一言でソファーから飛び起きた。