無垢・Age17
その騒ぎを聞き付け、中から人が出て来た。
「みさとちゃん!?」
いきなり声が掛かった。
その方向を見ると、アイツが立っていた。
「お兄さん!!」
苦しい息の下で、無意識の内に思わず叫んでしまっていた。
でも又呼吸が暴れる。
「もしかしてパニック障害か?」
アイツはそう言うなり、私の傍に飛んできて人口呼吸を始めた。
私の唇にアイツの唇が触れた。
そう、それはマウスツーマウス。
口づけするかのような体勢で、アイツの息が私の喉の奥へと送られる。
「ギャーっ!!」
「ジン止めて!!」
悲鳴がこだまのように襲ってくる。
私は何が何だか解らず、アイツに唇を委ねていた。
意識が朦朧とする中、私は夢でも見ているような感覚に襲われていた。
辺りはパニック状態に陥っていた。
でも私はただ呆然としていた。
私は別次元の思考にいたのだ。
私はさっきお兄さんと呼んでしまったらしい。
本当は記憶が無い。
その時の私はあまりに興奮していて常軌を逸していた。
そんな発言した覚えも無い。
どうやら削除してしまったらしい。
私は一時的な健忘症になってしまったようだ。
それでも私は自ら発した言葉をに驚いていた。
何を言ったのかは忘れたが、重大なことだったような気がしていた。
私は何が何だか解らずにいた。
でもそんな私を他所に、アイツは一生懸命に人口呼吸をしてくれていたようだ。
「もしかしたら、弟から聞いたのか?」
アイツの言葉に愕然とした。
私はどうやらお兄さんと呼んでしまったらしい。
全く記憶がない。
言った覚えもない。
私は否定したい事実を、本当は認めてしまったのだろうか?
でも確かに私はお兄さんと呼んでいたのだ。
頭の中では判っていた。
本当はそれを認めたくなかっただけだった。
だから言った事実を封印してしまったのだ。
それだけではない。
あのマウスツーマウスも記憶には留めておけなかったのだ。
それは全て夢うつつ……
ぼんやりとした感覚だけが其処にはあった。
そんな中……
アイツが私の兄貴のことを、弟だと言った事実だけが頭にコビリ着いていた。
「みさとちゃん!?」
いきなり声が掛かった。
その方向を見ると、アイツが立っていた。
「お兄さん!!」
苦しい息の下で、無意識の内に思わず叫んでしまっていた。
でも又呼吸が暴れる。
「もしかしてパニック障害か?」
アイツはそう言うなり、私の傍に飛んできて人口呼吸を始めた。
私の唇にアイツの唇が触れた。
そう、それはマウスツーマウス。
口づけするかのような体勢で、アイツの息が私の喉の奥へと送られる。
「ギャーっ!!」
「ジン止めて!!」
悲鳴がこだまのように襲ってくる。
私は何が何だか解らず、アイツに唇を委ねていた。
意識が朦朧とする中、私は夢でも見ているような感覚に襲われていた。
辺りはパニック状態に陥っていた。
でも私はただ呆然としていた。
私は別次元の思考にいたのだ。
私はさっきお兄さんと呼んでしまったらしい。
本当は記憶が無い。
その時の私はあまりに興奮していて常軌を逸していた。
そんな発言した覚えも無い。
どうやら削除してしまったらしい。
私は一時的な健忘症になってしまったようだ。
それでも私は自ら発した言葉をに驚いていた。
何を言ったのかは忘れたが、重大なことだったような気がしていた。
私は何が何だか解らずにいた。
でもそんな私を他所に、アイツは一生懸命に人口呼吸をしてくれていたようだ。
「もしかしたら、弟から聞いたのか?」
アイツの言葉に愕然とした。
私はどうやらお兄さんと呼んでしまったらしい。
全く記憶がない。
言った覚えもない。
私は否定したい事実を、本当は認めてしまったのだろうか?
でも確かに私はお兄さんと呼んでいたのだ。
頭の中では判っていた。
本当はそれを認めたくなかっただけだった。
だから言った事実を封印してしまったのだ。
それだけではない。
あのマウスツーマウスも記憶には留めておけなかったのだ。
それは全て夢うつつ……
ぼんやりとした感覚だけが其処にはあった。
そんな中……
アイツが私の兄貴のことを、弟だと言った事実だけが頭にコビリ着いていた。