無垢・Age17
 結果的に解ったこと。
此処はドラマか何かのの撮影現場で、私は女優と間違われたらしい。


(私って美人だからかな?)

てなこと思いつつ頭を振る。


(そんなこと遣ってる場合ではない。ったく。監督は一体誰なんだ!?)

私はキョロキョロ辺りを見回した。


「すまん、すまん」
監督らしきヤツは頭を掻いていた。


「新宿駅東口前のイベント広場で同じ服装の女優さんと待ち合わせしていた」
そんなこと言った。

でもいきなり車に連れ込まれて……
その上監禁されてレイプだなんて、どんな言い訳されても私には通じない。


「怖かったんだから」
私はそう言いながらベッドから降りようとした。
でも腰に力が入らない。

私はへなへなとその場に崩れ落ちた。




 私はその勢いで床にアヒル座りになった。

私はそのまま、地べたでもがいていた。

足に力が入らないんだ。
いくら頑張ってもダメなんだ。


(腰が抜けた!?)

やっとそのことを意識した。

勿論始めての経験だった。

手に力を入れて立ち上がろうとしても駄目。

ましてや足は尚更のことだった。


私はその場で号泣した。


やっと男達から解放された安堵感が私にそれをもたらせたのだった。




 結局私は人違いされて此処に連れて来られたのだった。

私は兄貴と新宿駅東口前で待ち合わせていた。

田舎なら馬の水飲み場かなか?
何故かチェーンが張り巡らされていたが、とにかく形の変わった茶色の物の前だった。


でも其処に行ってびっくりした。
以前、何時もお昼にテレビで見る景色が目の前に広がっていたから。

私はただ見とれていたんだ。

其処へ車がやって来て、私は拉致されたのだった。


それがつまり……
恥ずかしくて言えないタイトルのビデオ撮影だったのだ。
私は寸前で助かったけど、本番まで行く予定だったらしい。


拉致監禁そして三人による代わる代わるの……。
それがテーマだったようだ。
だから私はいきなり車に連れ込まれた訳だ。

それは女優さんとも打ち合わせ済みだったそうだ。


『ハロウィンの悪夢・拉致、監禁そして〇〇〇』

だから今日、撮影が行われたなわれた訳だ。

十月三十一日。
私はこの日がハロウィンだと言うことを知らずにいた。
田舎には殆ど無い行事だったのだ。




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