無垢・Age17
アイツにもう一度抱いてもらいたかった。
でも自分から言い出せはしない。
(こう言うの、ジレンマって言うのかな? 二つの感情がコントロール出来なくて……確かそんな解説だったな)
それでも、私は身悶えながらその試練に打ち勝つために踏ん張った。
でも結局私は負けた。
アイツのキスの長さに遣られた。
もう、はがゆいったらありゃしない。
でもきっと、それがアイツの作戦なのだ。
もうすでに、焦れったいのを通り越していた。
私の限界は此処までだった。
アイツの名前を呼びたかった。
でも私はアイツの名前すら知らない。
さっき役場で戸籍謄本は見た。
だから其処に書いてあった名前も見たはずなのに、記憶がない。
あまりにも舞い上がっていて、全部忘れてしまったんだ。
「ジン……お願い抱いて」
だから仕方なく、私はとうとうその名前と言葉を口にした。
アイツの目が勝ち誇ったように輝く。
それでも良かった。
私はやっとアイツに素直になれたのだから……
もしかしたら、アイツの仕返しかも知れない。
さっき私がイライラさせたから。
でもアイツはそんな肝っ玉が小さい人間じゃない。
私はアイツに抱かれることを想像しながら苦笑いをしていた。
「月が綺麗だね」
それでもアイツははぐらかす。
(ん、もうー!?)
私の身体が煮えたぎる。
「知ってる? 『月が綺麗』って言うのは、愛してるって意味なんだって。ホラ見てごらん」
アイツにつられて窓の外に目をやると、月が二人を煌々と照らしていた。
私は急に恥ずかしくなった。
幾ら何でも、私からアイツを求めるなんて……
考えれば考えるほど、熱が顔に集中する。
「綺麗だ。みさとは月以上に綺麗だ」
アイツはそう言いながらそっと、髪を撫でる。
焦れったくなった私はアイツ見つめた。
「みさと、覚悟は出来てる?」
「覚悟!?」
「そう俺にむちゃくちゃ愛される覚悟……」
アイツを見ると、恥ずかしそうにしていた。
「うん、出来てる」
本当は怖い。
物凄く怖い。
又あのハロウィンの悪夢に襲われたら……
なんて考えていた。
「大丈夫、みさとはただ俺だけを信じればいい」
私の心を見透かし……
愛の言葉を囁きながらアイツは私に二度目の愛をくれた。
でも自分から言い出せはしない。
(こう言うの、ジレンマって言うのかな? 二つの感情がコントロール出来なくて……確かそんな解説だったな)
それでも、私は身悶えながらその試練に打ち勝つために踏ん張った。
でも結局私は負けた。
アイツのキスの長さに遣られた。
もう、はがゆいったらありゃしない。
でもきっと、それがアイツの作戦なのだ。
もうすでに、焦れったいのを通り越していた。
私の限界は此処までだった。
アイツの名前を呼びたかった。
でも私はアイツの名前すら知らない。
さっき役場で戸籍謄本は見た。
だから其処に書いてあった名前も見たはずなのに、記憶がない。
あまりにも舞い上がっていて、全部忘れてしまったんだ。
「ジン……お願い抱いて」
だから仕方なく、私はとうとうその名前と言葉を口にした。
アイツの目が勝ち誇ったように輝く。
それでも良かった。
私はやっとアイツに素直になれたのだから……
もしかしたら、アイツの仕返しかも知れない。
さっき私がイライラさせたから。
でもアイツはそんな肝っ玉が小さい人間じゃない。
私はアイツに抱かれることを想像しながら苦笑いをしていた。
「月が綺麗だね」
それでもアイツははぐらかす。
(ん、もうー!?)
私の身体が煮えたぎる。
「知ってる? 『月が綺麗』って言うのは、愛してるって意味なんだって。ホラ見てごらん」
アイツにつられて窓の外に目をやると、月が二人を煌々と照らしていた。
私は急に恥ずかしくなった。
幾ら何でも、私からアイツを求めるなんて……
考えれば考えるほど、熱が顔に集中する。
「綺麗だ。みさとは月以上に綺麗だ」
アイツはそう言いながらそっと、髪を撫でる。
焦れったくなった私はアイツ見つめた。
「みさと、覚悟は出来てる?」
「覚悟!?」
「そう俺にむちゃくちゃ愛される覚悟……」
アイツを見ると、恥ずかしそうにしていた。
「うん、出来てる」
本当は怖い。
物凄く怖い。
又あのハロウィンの悪夢に襲われたら……
なんて考えていた。
「大丈夫、みさとはただ俺だけを信じればいい」
私の心を見透かし……
愛の言葉を囁きながらアイツは私に二度目の愛をくれた。