坂口美里とガルダスト

「それじゃあ、行きますか?兄貴の所へ。」


 痛む足を何とかたたきつけて立ち上がると、私は蛍光灯を拾い上げ、右手でこする。


「カイト=ウリグス=ダイゴロウ=サトル=タケチャン!」


 いつもの呪文。


 光が放たれ、しばらくして開くゲート。


「それじゃあ、私が先に入って待っているわ。美里は、ここからガトトリノを投げ込んでちょうだい。」


「了解、気をつけてね。」


「もちろん。」


 そう言って、カオリは先に蛍光灯の中に飛び込んで行った。


「さて!」


 とりあえず、声を出すことで気合を入れる。


 絶対明日は筋肉痛だ。


 筋肉痛という理由で学校は休めるのだろうか?


 まぁ、いいや。場合によっては、カオリの家に泊めてもらおう。


 置手紙でもあれば大丈夫だろうし・・・。


 私はそんなコトを考えながら、部屋中に積まれた缶ビールを片っ端から蛍光灯の中に投げ込んで行った。



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