坂口美里とガルダスト


 ・・・・・・・・・・それから一時間の後。


「おまたせ~。」


 10回ぐらい時間切れということでゲートが閉じてしまうというアクシデントがあったが、それ以外は順調にビールを投げ込んで、最後に私が飛び込み搬送作業は終了。


 向こうの世界に着くと、そこにはカオリと、カオリの格好をした兄貴と、爺やが待っていた。


「遅いぞ、美里!!」


 おぉ、この喋り方。間違いなく兄貴だ。


「仕方ないでしょ?これでも急いだんだよ。」


 腫れた足を、何とか押さえ込んで立ち上がる。


「それにしても、これがすべてガトトリノなんて・・・私には信じられません。」


 大量のビールに驚く爺や。


 逆を言うなら、私や兄貴とってみても、これがすべてビールなんて信じられない。


 それだけこんなに大量のビール缶が並ぶ光景は異常だ。


「それでも、これは紛れもない事実よ。さあ、運びましょう?」


 この言い草はカオリだろう。


 まったく、声が一緒だと混乱するよ・・・。


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