坂口美里とガルダスト

「さ・ら・に!この際だから言わせていただきますが、変わり身を立てて、何が待っているのか分からないような世界に飛び込むなんて、あなたたちは何を考えていらっしゃるのですか!?今回は怪我1つおってないから良いようなものの・・・。場合によっては命を落としかねないのですぞ!」


 う~む・・・確かにそれは一理ある。


 これで、万が一カオリの身に何かあった場合、私たちがいくら謝ったところで許してもらえることではない。


「以後、このような危険な行為は慎んでください。お嬢様はアマネ財閥の優秀な跡取りなんでいらっしゃるのですよ?」


「・・・・ハイ。」


 カオリがあやまった瞬間。


「それで、また私を籠に閉じ込め、生かしてゆくのですね?」


 カオリの声が私の耳に聞こえた。


 一瞬混乱した。


 カオリが二人いるという錯覚に陥ったのだ。


 しかし、すぐに理解する。


 ・・・・・・・・・・・・兄貴だ。


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