坂口美里とガルダスト

「だから、それは私が・・・。」


「『教えれば、理解できる』・・・そんな法則はどこにもないことは、アナタが十分に理解しているのではないですか?」


「なら、危険を冒せというのですか?それで万が一のことがあったら・・・。」


「万が一は万が一です。それで、残りの九千九百九十九の可能性をつぶすよりは、よっぽどいい・・・。」


「言い訳です。」


「だから、子どもの戯言なのですよ。」


「・・・・・・・・・・・・・・・お嬢様のためです。」


「でも、確かに、それは私のためかもしれませんが、私たちのためにはなりませんわ。」


 今度は、本当にカオリの声だった。


「お嬢様?」


「爺や。お願いです。本当に私のためを思うなら、私の大切なもの・・・。ホームステイを快く受け入れてくれたあの12階級のご家族の方や、私の大好きなハンバーガーを売ってくれているお店の人たちを守ってください。今、それが出来るのは、私たちだけなのですよ。」


 あ、やっぱりこの世界にもあったんだ。ハンバーガー。


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