坂口美里とガルダスト
きゅうしょう
それから、一週間の時が過ぎた。
その間に、アマネ財閥は、1つの情報を巧みな手段でアルタス財閥に流し込んだ。
送り込んだ情報はタダ1つ。
『アマネ家のガトトリノがそこを尽きた。』
これで、この世界でガルダストを動かせるのはアルタス家だけになった。
どのタイミングで行動を起こすのかは分からないけど、とりあえずこの一週間は何事も起こっていない。
「取り越し苦労?」
一週間たった後、カオリの家の庭。
私は、三人でお茶を飲んでいた。
紅茶なんて、よく分からない私だけど、この紅茶がセールで売っている紙パックで出せるような味でないことは確かだ。
「何事にも準備は必要よ。」
カオリは紅茶を飲む姿1つとっても、優雅だ。
隣でまったく同じ顔がお茶を飲んでいても、その違いは歴然としている。
「まぁ、あまり露骨でではない証拠も作らないといけないし、簡単には動けないだろう?」
カオリの紅茶を飲んでいる同じ顔・・・兄貴である。
アレから、暇を見つけては私と一緒にこの世界に来ているのだ。
理由はひとつ「面白そうだから」
・・・・・・・・・血は争えない。