坂口美里とガルダスト
「だって、あの時言い放ったモン。『知識だけを植えつけられた人間がどのようになるのかを、私は良く知っている』って。それって、絶対美雪のコトでしょ?」
兄貴の昔の恋人・・・・・。私の友達。
今は、無機質な墓石の中に静かに眠っている・・・。
きっと、兄貴の心から永久に消え去ることは出来ないんだろうな・・・。
「みゆき・・・?」
「お前、喋りすぎだ!!」
思いっきりどつかれた。
「いてぇ~・・・。」
「どういうこと?」
カオリの不思議そうな声。
「別に、話すことじゃないよ。」
あくまで兄貴のおだやだったが、その口調は、これ以上の追求を拒む言葉だった。
時々、兄貴はそんな口調をする。
「そうなんですか・・・。」
カオリの寂しそうな顔。
ゆっくりと私の顔を向ける・・・。
その顔が何かを求めるような顔だったため。
「ほら・・・あの時、話した兄貴の昔の恋人の話だよ。」
思わず、正直に話してしまった。