坂口美里とガルダスト
「いや・・・タダの興味本位から、聞いただけだけど・・・。」
と、兄貴がたじろいだ瞬間。
「お嬢様~。」
遠くから、声が聞こえた。
顔を向けると、走ってくる爺やが見えた。
アルマーニスーツが良く似合っている。
そういえば、関係ないが、あのスーツはやっぱりアルマーニなどではなく、ノンメーカーの完全なオートクチュール品であるらしい。
まぁ、私にとってはどっちでもかまわないけど・・・。
「どうしました?」
「お嬢様の言った通りでした。アルタス家を張っていた諜報部からの情報で、ただいま強盗が入ったのこと・・・鉄人機が5機ほど、盗まれていきましたよ。」
本当にカオリの言ったとおりだ。まさか、方法まで一緒とは・・・。
でもガルダストが5機かぁ~。
予定より少ないな・・・。
「ともかく、お屋敷に入ってください。ここが狙われないとも限りませんから・・・。」
可能性は低いが0とはいえない。
というより、この世に0%100%などというものは存在しないというのは兄貴の方便。
今、考えることではないか・・・・。