坂口美里とガルダスト

「いや・・・タダの興味本位から、聞いただけだけど・・・。」


 と、兄貴がたじろいだ瞬間。


「お嬢様~。」


 遠くから、声が聞こえた。


 顔を向けると、走ってくる爺やが見えた。


 アルマーニスーツが良く似合っている。


 そういえば、関係ないが、あのスーツはやっぱりアルマーニなどではなく、ノンメーカーの完全なオートクチュール品であるらしい。


 まぁ、私にとってはどっちでもかまわないけど・・・。


「どうしました?」


「お嬢様の言った通りでした。アルタス家を張っていた諜報部からの情報で、ただいま強盗が入ったのこと・・・鉄人機が5機ほど、盗まれていきましたよ。」


 本当にカオリの言ったとおりだ。まさか、方法まで一緒とは・・・。


 でもガルダストが5機かぁ~。


 予定より少ないな・・・。


「ともかく、お屋敷に入ってください。ここが狙われないとも限りませんから・・・。」


 可能性は低いが0とはいえない。


 というより、この世に0%100%などというものは存在しないというのは兄貴の方便。


 今、考えることではないか・・・・。


< 122 / 152 >

この作品をシェア

pagetop