坂口美里とガルダスト

 数分歩いて、屋敷の中。


「モニターは?」


 カオリが爺やに尋ねる。


「こちらになります。」


 案内されたのは、私の部屋ぐらいの小さな部屋。


 ある意味、この豪邸にしては珍しい空間だ。


 そしてそこにあるのは、何型はやっぱり私には分からないけど・・・とりあえず、超巨大テレビ。


 そこには業火と共に煙が充満している大豪邸と、大量のパトカー、救急車やらが見ることが出来た。


「ホント、よく似ているな・・・。俺たちの世界と。」


 モニターを見ながら兄貴からため息が漏れる。


 おそらく、パトカーや救急車のコトを指したのだろう。


 確かに、そっくりだ・・・。


「強盗時の映像は撮ってある?」


「ハイ。ただいま匿名でコピー画像を警察に届けました。万が一のコトを考え、オリジナルはまだこの機種の中に入っております。」


「そう・・・これで、万が一裁判のときも勝てそうね?」


「ハイ。抜かりはありません。」


 カオリと、爺やの会話。


「どういうこと?」


 さっぱり分からなかったら、兄貴にそっと耳打ちした。


「証拠映像を撮ったってことだよ。・・・この強盗は、あくまで仕組まれたものだからな。どうしても、何かしらの不自然な行動が起こっているはずなんだ。」


 兄貴の説明を聞いても半分ぐらいしか理解できなかった。


「ふ~ん。」


 とりあえず、生半可な返事を返しておく。


 ・・・私・・・自分が思っているよりバカなのかな?


 これでも、学校の成績はトップクラスなんだけどな・・・。


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