坂口美里とガルダスト
じゅっしょう
「美里までついてくる必要はなかったのに・・・。」
ガルダストのコックピットの中。
コックピットに座ってシートベルトを締めながら、カオリが呆れた声を上げる。
「まぁ、こうなったのも、半分は私が悪いんだし・・・。」
私は、相変わらずカオリのコックピットの後ろで、椅子にもたれかかるように立つ。
今回は、戦闘になるかもしれないというのに、この位置はいささか不安だったが、他にないのだから、仕方ない。
まぁ、いざとなったら。椅子にしがみついたまま、おとなしくしていよう。
情けないけど・・・。
「半分?・・・全部でしょ?」
カオリの容赦ないツッコミ。
「うっ・・・。」
確かに、それは否定できない・・・。
「冗談よ。いきましょう。」
カオリは私の方を向いて、軽く微笑むと、鍵を回してガルダストのエンジンをかける。アクセルを踏みこんでガルダスト起動。
本当に、車の操縦みたいだ。
ただし、動く方向は前ではなく真上だったけど・・・。
「あまり、重力とかそういうのは感じないんだね?」
正直、動くガルダストの中に乗っているという感動はあまり、感じなかった。
状況が状況だからだろうか・・・。