坂口美里とガルダスト
「戦闘機ではないもの。動くたびに重力を感じていたら、遊具として失格よ。」
それでも・・・このマシーンは人を殺せる。
意図的に、そしてとても大量に・・・。
知っていたのに・・・。気がついていたハズなのに・・・・。
「そうだね。」
曖昧な返事で返す。
カオリのガルダストは一度上空まで上がると、10分間だけ飛行をして、広い公園か学校のグランドを見つけては着地する。
どうやら、ガルダストに飛行能力はないらしく、基本的にこうやってジャンプしながら移動するらしい。
もちろん、普段は搬送機を使うのだが・・・。
「歩くのはダメなの?」
私が聞いてみると・・・
「こんな町の中で歩行をしたら、足の踏み場に困るわ。」
「なるほど。」
「でも、そうね・・・。確かにこのマシーンは歩くだけでも脅威なのね・・・。」
顔を伏せるカオリ。
きっと、この状況になって、今まで考えてこなかった色々なコトが頭をよぎっているんだろう。
「落ち込んだり、考え込むのは問題がすべて解決してからでも出来るよ!とりあえず、今はやるべきコトをやろう!」
「ええ、そうね。」
5回ぐらいそうやってジャンプをしたところだろうか。
私たちは、時計でいうなら5時の方向に煙が上がっているのを発見する。